年齢を偽るときに必要なもの、それは……
官能小説でデビューした直後、あるスポーツ新聞の取材を受けた際に、「官能小説を書いて、こうして年齢も顔も公にする人は珍しい」と言われて、「え、なんで?」と疑問に思ったが、そのわけはすぐにわかった。
写真付きで出た私の記事を見て、「ババアが官能小説書くな。萎える」などと、むちゃくちゃ叩かれたからだ。私が美人だったら喜ばれただろうけれど、そうじゃなくて、しかも当時40歳を超えていたので、気持ち悪いだの死ねだの散々と言われた。
確かに官能小説に限らず、年齢も非公表、顔も出さない作家は、たくさんいる。
作品のイメージを大切にするためであったり、プライベートを守るためであったりと、理由は様々だろう。
私自身は、当初、何も考えていなかったが、確かにイメージを裏切ったら申し訳ないなと、少しだけすべてオープンにしたことを後悔もした。
とはいえ、一度年齢も顔も表に出してしまったら、引っ込めるわけもいかないので、今にいたる。
ただ年齢に関しては、「隠しているとめんどくさい」というのがあった。インタビューやトークショーで話をするときに、年齢を公にしているほうが楽だ。変にサバを読んで、つじつまが合わなくなったり、とっさに嘘を吐かないといけないのもめんどうだ。
私自身は小説を読むと、顔はともかく、書き手の年齢は知りたくなる。
やはり「生きてきた時代」というのがあり、自分と同世代か、上か、下かはとても気になる。
ただ、それで作品の評価が変わることはない。
今はネットがあるから、バレやすくなっているけれど、昔は芸能人などが年齢をサバ読むのは珍しいことではなかった。
だいたい、若く設定する。
「若さ」に価値を見出される社会だからだ。
さて、今まで何度か、芸能人でもないのに「年齢を偽る」人の話を聞いた。
単に若く見られたい人もいれば、そうじゃない、不可解な人もいた。