官能を書く女があぶりだすもの
さて私は現在、肩書を「作家」と称していますが、2010年にデビューしたのが「第一回団鬼六賞」という官能小説の賞がきっかけなので、しばらくは「官能小説家」としていました。
ただわりと早い段階で、ホラー、怪談等、官能以外のものを書く機会が増えたので「小説家」にしましたが、近年は、エッセイやノンフィクションを出すことが多く、しかも小説よりもノンフィクションの方が売れ行きがよかったりするので、なんだか小説家と名乗るのに引け目を感じて、「作家」としています。
でも未だに勝手に肩書を「官能小説家」とされることがあるので、いちいち訂正しています。生意気なやつ、官能を馬鹿にしてるのか! っておそらく良い感情を持っていない人もいるんだろうけど、「官能」のイメージが強いと、そうじゃない本まで手にとってくれない人が多いのが私にはすごく不本意なのです。
そして官能小説そのものはときどき書いていますが、本はしばらく出していません。
「官能小説家」と名乗り、顔も年齢も出していると、いろんなことがありました。
よく言われるのが、「会ってみると、普通の人でびっくりしました」「ちゃんとした真面目な人で、意外でした」です。「こんな地味な人が官能小説書いてるんですね」まで言われたこともあります。
いや、普通だよ! 真面目だよ! ちゃんとしてるよ! バスガイドだから社交性あるふりもできるよ! 地味だよ!
そして「会うまで、ちょっとビビッてたんです。怖かった。どんな人が来るかと思って」などとも言われます。
……いったい、どんな女を連想していたのしょうか。